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ハイマンミンスキーの金融不安定仮説 By 金融恐慌

時期が時期なので金融恐慌論に取り掛かる。

 

この本を図書館で借りてから返済期限がとっくに過ぎているので駆け足でw

 

本書で採用された研究方法は問われるべき主題の性質から、制度的かつ動学的そして歴史的方法である。なぜ制度的方法であるかといえば、戦後経済における特定の制度ーーーとりわけ銀行貸付に対する制度的な制約ーーーが、金融恐慌の展開に重要な影響を与えるからであった。また、動学的であるのは、不確実性、心理的反応、金融市場の混乱を含む金融恐慌の諸事情は静学的な枠組みでは理解できないからであった。最後に、歴史的な方法がとられるのは、金融恐慌が内生的変化と永続的な不均衡の過程、すなわち歴史的時間において絶え間なく発散する諸事情の進展に依存しているからであった、ジョーンロビンソンの言葉を借りれば、

「経済は時間の中に存在しており、歴史は不可逆的な過去から未知の未来へと一方向的に進行するのだということを一旦認めてしまえば、空間をあちこちと動く振り子の機械的類推に基づく均衡概念は支持できなくなる、伝統的経済学全体が新たに再考されなければならない」

 

ハイマン・P・ミンスキーの金融恐慌理論

ミンスキーの理論はケインズの著作の再解釈に基づいている。ミンスキーはケインズの標準的解釈である新古典派総合はケインズ理論を歪めていると主張する。

この歪みは三つの主題、すなわち不確実性、景気循環、および金融を無視していることを起因している。

これらを接合する鍵となるのは彼の投資理論である。

 

主として投資を決定するのは金融諸変数であり、経済の全般的な状態を決定するのは投資の水準と変化である。さらに、金融諸変数は、急変化にさらされ将来の見通しに強く影響を受ける。かくして、投資決定はかなり不確実性にさらされている。

しかしながら、ミンスキーの「金融不安定仮説」は、目まぐるしく変わる将来の見通しが生み出す、手に負えない不規則な動きを前提してはいない、むしろ、彼の理論は景気循環の各段階をもたらす内生的かつ系統的な変化と関係している。

「どの段階の経済状態も、それがブームであれ、恐慌であれ、負債デフレであれ景気停滞であれ、あるいは景気拡大であれ、一時的なものである。・・・安定性に近づくような状態が実現されると、直ちに安定性を破壊する過程も始まるのである」とりわけ、ミンスキーは景気循環の好況局面で起こる系統的な変化に関心を持っている。彼の見解では、景気拡大は必然的な不安定であり、それを投機的な投資ブームに転換する過程が発展する。

ミンスキーは、金融恐慌の諸条件が投資ブームの間に発展するのを見いだした。実際、彼の理論構造全体の主たる強調点は、これらの諸条件が整えられる内生的過程を説明することに置かれている。ミンスキーは、これを体系的な脆弱性の理論と呼んでいる。

 

金融脆弱性は金融システムに内在する特質である。脆弱な金融システムにおいて、ありふれた事件によっても、継続的な正常な動きが中断されることがある。体系的な脆弱性とは、脆弱な金融構造の発展がわれわれの経済の正常な機能に起因するということを意味する。

 

ミンスキーによれば、金融システムの脆弱性を決定する三つの要因がある。

第一の要因は、ミンスキーがヘッジ金融、投機的金融、ポンツィ金融とそれぞれ呼ぶ金融の相対的な比重である。他の二つの要因は、システムにおける流動性の程度および投資資金を調達する際に負債に依存する度合いである。

ヘッジ金融、投機的金融、およびポンツィ金融という特徴付けは、財務上の困難への陥りやすさに応じて経済主体を分類するミンスキー流のやり方である、分類方法は、正常な活動の結果もたらされる現金受け取りと負債によって発生する現金支払義務の間の関係に基づいている。

ヘッジ金融に従事する経済主体の場合は、これらの現金受け取り額が現金支払額をかなり上回ることが予想されている。それに対して、投機的金融に従事する経済主体は、ある時期ーーー通常はごく近い将来ーーーに現金受け取り額が現金支払額を下回ることを予想する。典型的には、投機的経済主体が、再び資金調達できると期待しながらも、間も無く満期になるかなりの額にのぼる短期負債を抱えているためにこの不足が発生する。ポンツィ金融に従事する経済主体は、その現金受け取り額から金利負担額さえ支払えないと予想されるある種の投機的経済主体である。

かくして、ポンツィ金融に従事する経済主体は、その金利コストを支払うために絶えず借入を増加させなければならない。

負債の利用が利潤を増加させることを指摘している。負債を利用することによって収益性が高まれば、さらに多くの負債が利用されるようになり、投資が拡張されることになる。

信頼の高まりはまた、証券市場にプラスの影響を及ぼす。それはまた、資産のうちの大きな割合を現金で保有し続ける必要性を減少させる。こうして、流動性が低下する。

ミンスキーによれば、短期負債の利用を促す重要な誘因も存在する。もし、金利曲線が右上がりならば(すなわち短期金利長期金利より低いならば)、短期借入の方が有利になる、経済が拡大し信頼が高まりつつあるならば、ほとんどの企業は借換について何の困難も予期しない。ミンスキーは、多くの経済主体にとって短期負債に基づく資金調達が「生き方」になることを観察している。したがって、

 

経済が好調な時期には企業の財務構造に占める短期負債の割合は上昇し、ポートフォリオに占める現金の比率は低下する。このように、経済が好調な時期には財務構造を異にする経済主体の経済全体に占める構成比率が変化し、投機的金融やポンツィ金融の比重が高まるようになる。

 

このようなわけで、経済拡張が続くと金融脆弱性が深まっている。

ミンスキーは、経済が金融脆弱性のもとにあるならば、金利上昇が金融恐慌をもたらすと主張する。非弾力的な借入需要が完全には弾力的でない供給に対して増大するので、金利は上昇する。資金の需要と供給を順に考察してみよう。

投機的金融とポンツィ金融の性質は、経済主体が支払を履行するために絶えず負債を借り換えることにある。それゆえ、「投機的金融や特にポンツィ金融のもとでは、金利非弾力的な借入需要が増加する」

 

借入需要を非弾力的にする第二の原因は、投資資金の調達の性質に起因している。ミンスキーによれば、2つの異なった投資資金の調達方法がある。

必要な資金を投資計画の開始時に調達すること(事前の資金調達)もできれば、投資計画の進行とともに調達すること(継続的資金調達)もできる。彼は、通常より多く行われるのは継続的資金調達の方であると論じている。この資金調達方法が資金需要をより非弾力的なものにする。こうして非弾力的な資金供給は金利を急騰させることになる。

 

なぜ資金供給が非弾力的なものだろうか。景気拡張の初期の段階では、アメリカの銀行は貸付能力を拡張できる方法を持っており、資金供給は相対的に弾力的に拡大する。

ミンスキーによれば、銀行は(要求払い預金の代わりに)定期預金や与信枠を使用し、またフェデラル・ファンド市場から借り入れることより、貨幣量を事実上増加させることができる。

ミンスキーが指摘しているように、もちろん中央銀行による金融引き締め政策がこの過程を一層困難なものにする。しかし、彼は、連邦準備が金融引き締め政策を行わないとしても金利は上昇するであろうと論じている。なぜなら、「貸し手と借り手が投資資金調達の新しい方法を探し求めるにつれて、借り手は限界的に、流動性をより強く求める資金源泉に依存するようになる・・・つまり、借入条件がそれだけ厳しくなるだろう」からである。また、「短期金利の急騰は長期金利の上昇をもたらす」。

 

金利の上昇は次の点で重要である。すなわち、「脆弱な金融構造の下では好況期における金利上昇のフィードバック効果が。。。金融の逼迫および崩壊をもたらし、それは次に累積的な負債デフレーションのきっかけとなる」からである。

今や、金利上昇が金融恐慌を発生させる過程を追求する作業が残されている。

 

ミンスキーによれば、金利上昇は三つの帰結をもたらす。すなわち、現金支払額が現金受け取り額に比して上昇する、資産の市場価値が負債に比して下落する(ただし、資産は負債よりも長期の契約であると仮定する)、資金の貸し手は(最初の二つの帰結のために)貸付を制限する決定を下すということである。

ミンスキーはまた、資金の貸し手の態度は比較的突然に変化すると指摘している。

 

 換言すれば、「なぜ金融不安定性が発生するのかを説明するにあたり決定的となる要素は市場で決定されたキャッシュ・フローあるいは資産価値によっては履行することができない負債構造の歴史的時間を通じての発展である」

この問題の根源が脆弱な金融構造に対する金利上昇の効果にあると、ミンスキーが考えていたことを指摘しておくことは重要である。彼は、利潤率自体が低下することについて言及していない。実際、ミンスキーは企業利潤自体の動きを分析していない。彼は、準地代と呼ばれる利潤のより広い定義を好んで使用している。

 

彼は税引き前粗利潤を企業夫妻に対して支払われる金利に加えることにより、準地代の概念に到達する。準地代は粗資本所得の尺度であり、生み出された収入によって負債返済を賄うことができる企業の能力の指標である。

ミンスキーの体系において準地代が負債構造を十分に払えきれなくなるのは、(必ずしも)利潤が減少するのでも、準地代が減少するためでもない。それは、準地代が安定した率で増大するのに負債負担は加速的に増加するためなのである。

 

ブーム期には負債は加速的に増大する。・・・かくして、負債が増加するに従って、金利は上昇しなければならないし、資金調達コストも上昇する。こうした状況のもとでは、究極的には実質タームでみて定常的な率でしか増加しない準地代の実現額は、負債の利払いに要する源泉としては不足する。

 

ミンスキーは現金支払額が現金受取額に比して増加する結果起こる事態について二つの主要なシナリオを考えている。すなわち、資産の市場価値が負債額に比して下落する場合と、受け入れ可能な負債構造が再評価される場合である。

 

第一のシナリオの場合には、金利の上昇が投資の低下を招く、このことは、二つの理由によって生じる。第一の理由は、「経済主体のいくつかが金融脆弱性を露呈すると銀行家や企業が進んで負債を発行して資金を調達しようとする意欲は減退する」ということである。

リスクの高まりが感知されると(それが資金の借り手のものであろうと貸し手のものであろうと)、企業は投資のために使用したレバレッジ自己資本に対する外部資本の比率)を低下させようとし、銀行は投資支出の資金を融資し続けることを拒否する。

 

第二の理由は、投資計画がますます収益性の上がらないものになりはじめ投資が減少する、というものである。ミンスキーの理論における投資需要は投資計画から期待される将来収益(準地代)を資本化した現在価値に基づいているので、金利が上昇するとある種の投資計画は支えられなくなる。

投資の落ち込みは、次に準地代の下落をもたらす。ミンスキーはここで、準地代(ここではミンスキーをそれを利潤と呼んでいるが)を投資水準に一致させるミハイル・カレツキによって発展させられた分析に言及する。

行動仮説が与えられればこの方程式は事後的な恒等式になることをミンスキーは認識している。しかし彼は、因果関係は投資から利潤の方向へ向かうと主張する。「カレツキの簡潔な関係式は利潤が投資によって決定されるという意味に解釈できる」。

そこで、利潤の減少は負債構造から生じる諸困難をさらに悪化させ、継続的な借換を見込みのないものにする。そして、現金を手に入れるために資産の投げ売りを余儀なくさせ、資産価格の急落をもたらす。ミンスキーは金融恐慌をこれらの最後の二つの事態の発展と同一視している。

ミンスキーは、金融脆弱性は非金融企業に限定されないと指摘している。

これらの企業の窮迫はこれらの企業の貸付を行なっている銀行やその他の金融機関に影響を及ぼす。投機的金融やポンツィ金融に従事する経済主体が負債を返済するための資金を借換ることができないとき、銀行の財務状態は悪化する。

ミンスキーの第二のシナリオでは、脆弱な金融構造の下における金利の上昇がまず金融恐慌をもたらし、次にそれが投資を減少させる原因になる。

 

資金の借り手が市場条件に応ずることができなくなるか・・・またはあてにしていた市場が正常に機能しなくなるために負債の「通常の」発行ができなくなったとき、資金調達の危機に関する典型的な諸問題が発生する。これが起こると、資産を売却しなければならなくなるか、または、資金の借り手は、「取付け」騒ぎのなかで資金を回収しようとする貸し手に対して返済義務を履行できなくなる。どんな重要な市場における借り手そのような失敗も、受け入れ可能な負債構造と収入見込みに関するより懐疑的な見方が信用市場全体を支配し始めることを意味している。・・・そのような人々の選考の変化は、・・・負債による資金調達の条件を・・・より厳しいものにする。このことが在庫品の見切り販売や投資の削減をもたらし、経済を景気後退、不況へと追いやるのである。

 

ミンスキーはこの第二のシナリオをそれほど強調している訳ではない。しかし、金融恐慌と投資の減退(そしてその結果生ずる景気後退不況)の間の正確な因果的連鎖がどのようなものであれ、それらのうちのいずれも起こり、金融恐慌が不可欠な要素をなすことをミンスキーははっきり認めている。「1996年の信用逼迫とともに金融脆弱性が出現して以来、景気循環の経験は、景気後退が金融市場のある重要な部分の崩壊の脅威をきっかけにして起こるか、またはそれをもたらすことを示している。金融の逼迫がなければ景気後退は起こらない」

 

ミンスキーによれば我々の経済は厳しい金融恐慌によって生じる負債デフレーションの相互作用に弱く、深刻な不況をもたらす。この負債デフレーション過程は、アーヴィング・フィッシャーによって述べられていた。しかし、1966年以降の最近のアメリカの経験によれば、厳しい金融恐慌と深刻な不況は回避されてきた。

ミンスキーはこの成功を二つの要因に帰している。

 

  1. ある金融市場において発生した困難が他の市場に波及することを防ぐ連邦準備制度理事会による最後の貸し手としての介入。
  2. 企業利潤を支える連邦政府財政赤字の増加である。

 

 

ここでMMTのストック&フローコンシステントアプローチへと落としこまれる。