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ミンスキーのビジネスサイクルモデル

ミンスキーのモデルでは、金融機関には三種類ある。一つは保守的な「ヘッジ」型出資者で、その活動は資本コストをまかなうだけの所得を生み出す。「投機」型出資者は資産価格の上昇分によって負債の元利返済を狙っており市場をさらに高騰させる。そして「ネズミ講出資者」たちは短期または長期で費用を賄えるが、こげつきをある程度隠し通してかなりの儲けを懐に入れられる。

ミンスキーによるビジネスサイクルの説明はこんな具合だ。サイクルの出発点は不景気で期待が沈滞しているところだ。回復の勢いが増すと事業収益が上がってバランスシートが回復する。しばらくはみんな、前の景気停滞の記憶があるので慎重だ。でも経済成長が続き技術的なブレークスルーでそれに拍車がかかったりなんかすると利潤も増えて、将来の成長に対する期待も高まる。慎重さも失われる。ますますアニマルスピリットが掻き立てられ、銀行は融資を大盤振舞いして信用が拡大する。慎重な投資家ですら収益機会を見過ごしてはいけないとばかり、この上昇気流に参加する。この時点でバブル期が訪れる。ミンスキーが「多幸症経済」と呼んだものが勢いづく。これはレバレッジの高いネズミ講出資者を呼び込む。彼らは負債の返済に資産価格上昇をあてにしており彼らが参加することで市場はさらに押し上げられる。ますます市場は根本にある資産価格ではなく市場の気分や動きに基づく投機に支配される。

ネズミ講参加者も時々破綻するが成長期だとそうした破綻は単発的な出来事だと思われ、全体的な意味は持たないと思われる。だがバブル後期になると経済活動の相当部分は投機ファイナンスに支配されているので、ネズミ講業者の破綻は突然の気分転換をもたらしかねない。投資家たちは同じような腐敗が他にもあるのではと恐れるのだ。

すると一斉に融資を回収しようという動きが出るため腐敗はさらに増える。

これはネズミ講業者だけでなく、持続的な経済成長をあてにしていた、投機金融機関もそうだ。経済は突然クラッシュして不景気となり、慎重さと保守性への回帰が起こる。